お江戸見たけりゃ高崎田町と唄われた北関東屈指の商都だった高崎という土地柄のせいか、各家庭で恵比須講を祝いました。わが家では神棚から恵比須様を下ろし、茶の間の隅に座卓を置いてそこに鎮座させます。そして恵比須様の前に、この秋に取れた新米の炊きたてと生のサンマとけんちん汁を供えます。
この日に初めて新米とサンマを口にします。初物を食べた時には東の方角に向いてハッ、ハッ、ハッ、と高笑いすると幸福がやって来ると父親が厳粛な口調で言い、ひと口食べてハッ、ハッ、ハッと高笑いをしました。それにならって家族全員がひと口食べて高笑いをします。
子どもの頃の懐かしい思いでです。