白壁の美しい町である。細い街道に沿って白壁の土蔵や土塀が続いている。面白いのは三階建ての家が目に付くことである。道の両側の路地も風情がある。江戸の街道がそっくり凝固しているような町並みである。門構えの立派な酒屋があった。
慶応年間から続いている「竹重本家酒造」であり、御薗竹で知られている。若山牧水が愛飲したのは有名で、用水脇に歌碑が建っている。
三階建ての家が多いが、あれは蚕糸を紡いでいた名残りである。二階が作業場になっていた。近隣から蚕繭を集めて、生糸を都で売っていたとのことである。