西の空の下には浅間山と並んで妙義山が見えます。特に赤い夕焼けに際立つシルエットは他に例を見ないほどの美しさです。
中学生の頃にクラスメイトたちと、妙義山征服に挑戦したことがあります。ジーパンTシャツに運動靴という、まったく登山とは無縁の格好で登ったのです。一緒に登った友だちは松井田と坂本に生まれ育っていますから、天下の妙義登山といっても、近くの公園へ遊びに行くようなものだったのでしょう。
しかし行ってびっくり、登山道と呼べる道はごく僅かで殆どが岩場です。鎖を伝って登るのには驚きませんでしたが、馬の背のように狭くそそり立ったところを渡らせられ独り取り残される不安を感たものです。