中学高校の同級生の家はひな人形屋さんでした。人形は家族で1年かけて作りますが、3月人形と5月人形を売る季節には人手が必要となります。お店の印半天を着て走り回っていたので、お客さまからはお店の息子と思われていました。
当時、田舎では豪華な御殿造りのひな壇に人気がありました。薄暗い農家の奥座敷には、クリスマスツリーの電飾を御殿の屋根に取り付けると喜ばれました。お宅まで配達して飾り付けましたが、仕舞う時には素人ではもとの箱には納められません。
そこで、空の茶箱を一緒に持って行って、納まり切らないものを入れるようにと勧め、お嫁さんに安堵して貰いました。