玉蜀黍 トウモロコシ

 

 府中がある多摩地区の西方に、トウモロコシ街道と呼ばれているところがあります。街道と呼ばれるほどの道路ではないのですが、一面見渡す限りのトウモロコシ畑の真ん中を貫く様に一本の道が走り、その両端にトウモロコシの販売所が点々と並んでいるのです。無人の販売所だったり、無人かと間違えそうなお地蔵さんの様なお年寄りが座っていたり、農家のお嫁さん風の逞しい女性が美味しい朝もぎと書いた旗を振っていたりします。

 なんでも朝もぎが美味しいのは分かるのですが、甘くて軟らかいのが好まれるせいなのか未成熟のトウモロコシを食べさせられている様に思います。かつてのトウモロコシはしっかりとした歯応えがあって一粒一粒の豆を食べている食感があり、一粒一粒を列から外すことが出来てまとめて口に放り込むことが出来ました。インテリアで飾ってある粒が充実したトウモロコシを見ると焼いて食べたくなる衝動に駆られます。

 

 

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