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ニューヨーク、東京、上海、そしてシベリアと、壮大なスケールで繰り広げられる大河ロマン!! 日本の首相の息子である主人公と、当時は敵国だった中国国民政府総統の妻の姪である美貌の令嬢との許されざる恋。そして日本と中国二つの国の幸せと平和を願って、生命を賭ける若き貴公子の短くも美しく燃えた炎のような生涯が、ニューヨーク、東京、上海、シベリアを舞台に空前のスケールで展開します。
第二次世界大戦直後の極寒のシベリア、抑留日本軍将校九重秀隆は執拗な尋問の中でアメリカ留学の目的を問われ、運命の歯車が動き出した青春時代の回想を始める。
大平洋戦争勃発を数年後に控えたニューヨーク、プリンストン大学留学中の秀隆は美貌の中国人女性愛玲と出会う。蒋介石夫人宋美齡の姪でジュリアード音楽院に留学中だったが運命に導かれるままに二人は恋に落ちる。
折しも上海事変が勃発し、二人は引き裂かれそれぞれ帰国の途につく。日中の戦局は泥沼化し総理大臣である父菊麿の秘書官となった秀隆は、蒋介石への親書を携え和平工作と愛玲を探しに単身上海に乗り込む。
軍部と憲兵隊は親書奪還と和平工作阻止に動き出す。秀隆に蒋介石からの親書を手渡そうとした愛玲は仲間の裏切りにより銃で撃たれ、和平実現を信じつつ秀隆の腕の中で死ぬ。
軍部への反抗から懲罰召集となりソ満国境へ送られ敗戦後ソ連軍の捕虜となりシベリア抑留となる。かつての総理大臣の息子は早期帰国の条件としてソ連の協力者となるよう強要される。日本人としての誇りと、命を賭けて国を救おうとした愛玲への想いが、秀隆に拒否を貫かせる。それは自らの命を危うくするものであった。
20世紀という激しい歴史の流れの中で、過った道を歩んだ日本の姿と、時代に翻弄された青春、そして戦争という悲劇の中で、未来の美しい祖国の姿を胸に抱きつつ砕け散って逝った若い命をモチーフに描くミュージカル「異国の丘」を、21世紀最初の年に、今の日本の現実と重ね合わしてご覧下さい。
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