「個人旅行・私のアドバイス」会員番号490 中嶋柏樹・早苗 |
私たち夫婦の海外旅行の楽しみ方は、二名から催行されるパッケージ・ツアーを 利用します。他にツアー同行者がいない二人だけで行ける日を出発日にして、割安の 個人旅行にしてしまいます。旅行社にお願いしますと、希望するようなツアーを新商 品として作ってくれるようなこともあります。オフ・シーズンのフリー・タイム・ツ アーは最も格安で、パリやニューヨークなどの一都市滞在型7日間のパッケージ・ツ アーは10万円以下もあります。
エアー・チケットと朝食付きのホテルそして半日観光付きといったところですが、
最大のメリットは現地ガイドが空港で送迎してくれて、面倒臭い手続き一切をやって
もらえる有難さがあります。半日観光も定番を無視し行って見たい場所を希望すると
、それらを巡るコースにして貰えます。ガイドさんも堅苦しい態度はとらず、初対面
ながら旧知の友達のように接してくれます。建て前に沿った案内でなく、大きな声で
言えないようなことも教えてくれます。わずかな時間であっても親しみは増し、たい
ていはクリスマス・カードを送りあう間柄になります。
旅行の楽しみの一つに「出会い」がありますが、それを十分満足させてもらえる旅
行を楽しんでいます。
インターネットにホームページを開いて増改築を重ねるのは楽しみですが、ネットサーフして海外に住む日本人を探し出し、メールを交換するのも楽しみです。 次に行こうと予定している国に住む日本人と、積極的に交流して集中的に親しくなります。フレンチ・ミュージカル「壁抜け男」のCDを送って下さったパリ在住のTさん、「美女と野獣」アルゼンチン公演のプログラムとマテ茶を送って下さったブェノスアイレス在住のSさん、地元のスーパーで売っている徳用紅茶(超美味で安価)を送って下さったマンチェスターのMさんなど、数え切れない程の人たちが厚かましいお願いに快く応じて下さいました。世界中に大勢の友だちが出来た気分です。
旅行目的に合わせたリアルタイムの情報をもらい、日本から手荷物で持参するしか入手の手段の無いものを持参し喜んで貰います。日本の歌番組やドラマを録画したビデオテープは、涙を流さんばかりに喜ばれます。アフリカ・ケニアで野性動物の保護活動をしている獣医のKさんは、日本を離れて以来「鰻丼」を食べていない言いますので、鰻の蒲焼とご飯のレトルト・パックを持参して喜ばれました。 アメリカ・ニュージャージーに住むヤッピー氏は、自宅近くスーパーマーケットには日本の物がなんでも揃っていて虎屋の羊羹の定番はあるが、虎屋の「季節の羊羹」は無いと残念がります。さっそく持参するとたいへん喜ばれ、シーズン毎にミュージカルを観に来る事にはならないかと言われてしまいました。
外国に住む外国人と交流を持つときに、どれくらい伝えることが出来ているか、どれくらい理解することが出来ているのだろうかと、いつも不安になります。その地に住む日本人が間に居てくれて、つど確認することが出来ますと、その不安が殆ど解消されます。いまや世界中どこにでも日本人が住んでいます。中味の濃い海外旅行を楽しむために、海外に住む日本人とまず親しくなることをお勧めします。そして、その縁をその時限りにしないために、インターネットで隣人となり、いつでも気軽に交流できる関係にしておいて欲しいと思います。
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黄色いリムジン・バスを街角で見かけると、乗っている人たちが羨ましく、無性に 飛行機に乗って飛び立ちたくなります。その場で飛び上がりたくなるほど外国に行き たくなるのですが、飛んで行く先はどこでも良いのです。 日本では無くて、日本人を見ない所だったら何処でも良いのです。しかし何処でも良 いと言いながらも、隣の韓国や東南アジアの人たちと顔を合わせたのでは、知人や親 戚と良く似た顔があったりして、彼等の口から日本語が飛び出しそうな気がしてしま い、外国とはいいながらも"亜日本圏"といった感じで、外国へ行きたい私の気持ちは 満足に少々物足りなさが残ります。
"旅の恥はかき捨て"といいます。勿論かき捨て て迷惑を置き土産にするようなことはありませんが、顔も言葉も異なる人々の行き交 う街角に身を置くと、なぜか其れに通じる感情が沸き起こり、"自由に"自分を表現で きるようになり"素直に"自分が振る舞えるようになるのです。"異文化"を感じれば感 じるほど自分が"解放"されます。日々の生活の中で溜まりに溜まったストレスが"発 散"されるようです。
私は年に2〜3回1〜2週間程度の旅をしますが、いつも旅行雑誌で最も割安なツ アーを探し「安価」を理由に参加します。すべてフリーでもたいてい「半日観光」が ついていて、その地の観光と歴史を紹介してくれますので、何処でもよい、なんの期 待を持たずに行っても、食わず嫌いが食べてみてその旨さが分かるように、その国の 歴史や伝統そしてそこに住む人たちの生活を知ります。そして一々感心して帰ります 。 旅から戻って、行く前ではページをめくる気にもなれなかったガイド・ブックを 読み、その国を詳しく解説する本を読み、さらにはその国の伝統芸術にもおよび、そ の感動を「吹聴」します。 これが私の旅のすべてなのです。