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第9巻3〜5号(通巻95〜97号)平成11年05月01日

  

 八重桜が咲いても、寒い日があったりします。とんでもなく暑い日があったり、そんな日でも朝晩は寒かったりします。小屋の中のワンたちもわざとらしく丸くなったり、だらしなくお腹を上にしてお股を開いたりして、寒暖に敏感に反応して忙しいようです。ハナコちゃんとジエフリーくんが、急性膵臓炎になりました。獣医さんは幾つか原因を挙げて、大量に脂肪を摂取することは無いでしょうしといぶかしそうに言います。はっと思い当たったのは、ラーメン屋さんのトンコツをたくさん食べさせてしまったことです。ニワトリタマゴなのですが、痩せたので肥らせようと食べさせてしまったのです。ジエフリーくんが死にそうになって緊急入院したときに、ちらっとハナコちゃんも受診させようかと思いました。しかし、老いのせいかとも思ってしまいました。
 ジエフリーくんが軽快退院してホッとしたら、ハナコちゃんが「私もうダメ〜ッ!! 」と瀕死状態なのです。大急ぎで獣医さんを受診しましたが、予約外なのでずーっと待たされました。柏爺は待合室のベンチに腰掛け、ハナコちゃんは床に敷いた綿毛布の上で瀕死しています。1時間ほど経ったころ、膝に手をかけて「ダッコして欲しいのォ」と訴えます。こんな時に冷たくなんか出来ません。ベンチの上にペットを乗せることは禁止されているので、綿毛布で包んでだっこしました。小さなワンちゃんやニャンコがだっこされている例はあっても、小柄とはいえラブは珍しく驚かれてしまいます。2時間ほど経ちました。看護婦さんが小声で「お待たせしましたぁ〜、ハナコちゃんの番ですよー」と呼んで下さいました。
 むっくり頭を上げて、降りようとします。床に降ろすとスタスタ歩いて診察室に入り、部屋の隅にある器の水をピチャピチャと飲んでいます。包まっていたので暑くなったんだよネと言った獣医さんが「ところで、何で受診したのかな〜っ」と言います。なんか変な感じがしますが「ジェフリーの時のように具合が悪いのです」と訴えました。瀕死の筈のハナコちゃんが涼しい顔をしているので、一応血液検査をしましょうということになりました。しばらく待って結果がでて、獣医さんは「悪かったのかも知れませんが、今は検査結果に異常はありません。」と言います。1週間前にジェフリーくんと一緒に検査したら、膵臓の異常が発見できたでしょう。ということで、終わり良ければ全て良しでメデタシメデタシということになりました。

 

 

       モミジくん              ベルくん あいちゃん 

 

 


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