ハナ母さんに待望のメンスが始まりました。去年の１０月は気の毒な「避妊祈念」の「別居週間」でしたが、今回は「懐妊祈念」の「奨励週間」です。しかし、一抹の不安がありました。タロ父さんは西谷ラブの時に精も根も使い果たしてしまったようなのでいかにチャーミングなハナちゃんが魅惑的なフェロモンをふり撒いても、香りに迷ってくれないのではないかと心配なのです。おしっこの臭いを嗅いだりお尻を舐めたりはしますが、まったくマウンティングするふうはないのです。１週間がたち心配の度がさらにさらに数段増しました。ところが、ぴったり１０日めの朝を待っていたかのように、マウンティングしたのです。

　マウンティングが即性行動ではなく序列確認の儀式であることが西谷ラブのときに分かったので、肝心なのはその次なんだと呟き固唾の呑んで見守りました。今まで２回の妊娠の何れの場合も交尾を確認していないので、今度こそはと緊張しました。ハク爺とサナ婆の旅行不在中にハナ母さんの生理が始まってしまうのではないかと心配でしたが、帰ってくるのを待っていてくれたかのように始まったので、爺婆の心境を察して今回は公開してくれるのではないかとの期待もありました。

　タロはハナにマウンティングの姿勢で左後ろ足を持ち上げてハナのお尻の上に乗せるかと思いきや、くるりと回転し後ろ向きになって結合してしまったのです。そして、そのままじーっとして、すべてが終わるのを待っているようでした。