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また、1915年に開かれた、たった1つの競技会での、3つのステーク全部にラブラドール種が優勝したのでした。このように、第1次世界大戦までのフィールド・トライアルの歴史は、作業する犬としてのラブラドール種の紹介と、それにともなう成功を記録しています。1919年になってトライアルは再開され、以来1938年まで中断されることなく継続しました。その間に、たくさんの新しい協会が誕生し、ラブラドール種、フラット・コーテッド種、ゴールデン・リトリーバー種や、カーリーコーテッド・リトリーバー種といった各リトリーバー種が、各々犬種の栄誉のために、勝利の栄冠を手にしようと競争したのです。
1914年〜1918年と、1939年年〜1945年の両世界大戦の期間においては次の2頭の犬が、トライアルの世界で傑出した実績を挙げたと言っても過言でないと思われます。そのうちの1頭は、F.T.CHはハイウッド・チャンスで、チャンピオン・ステークで2度優勝しています。他の1頭は、F.T.CH バルムト・ジョックで、彼はチャンピオン・ステークで3度優勝したのです。この2頭の犬たちは、いずれもリトリーバー種として求める能力のすべてにおいて、最高のものを持つものとして評価されていたと言われています。
また、この2頭の犬たちはどちらも、その気力と感度が優れていて、その作業ぶりは、見ている者を感動させるとともに、リトリーバー種としての本質的な良さを身につけているものとして、その優秀性が高く評価されていたのです。1959年代において、最も卓越している犬としてあげられるのは、ローレンス・テイラー氏所有のF.T.CH ギャリウッド・ショットです。1957年と1958年のチャンピオン・ステークに連続優勝という栄誉を獲得しています。そして、この勝利の実績によって、彼は偉大な猟犬種と呼ばれるグループに仲間入りをしているのです。
彼のトライアルでの演技は、ハイウッド・チャンスのそれにも匹敵するものと高く評価されていましたし、彼の右に出るのは、ただ1頭で、それは3回チャンピオンとなった、F.T.CHバルムト・ジョックだと言われていました。彼らにつづく偉大な勝利をおさめた犬としてあげられるのは、チャンピオン・ステークを2回勝っているDUAL.F.T.CHウイットモア、テイタスですが、彼の活躍は、1923年と1924年の2年間でした。チャンピオン・ステークは1911年以来、37回以上開催されてきました。
もちろん両世界大戦中は中止状態でしたが、それらのステークにおいて、ラブラドール種は32回以上優勝しており、ゴールデン・リトリーバーが2回優勝し、あと2回ほどは故アーリングトン氏所有の混血のダズルとフラシーが優勝し、一度はフラットコーテッドリトリーバー種が優勝したのです。また1957年1958年におけるガリウッド・ショットの活躍は、彼の優秀性を遺憾なく発揮したものとして記録にとどめられています。
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