“イエロー・キャブとP・K・O”

 

 

 日本人の若い女性が海外でスキャンダラスに、「イエロー・キャブ」と呼ばれていることはご存じのことと思います。テレビや雑誌などが歪められてて受け取られことを意図しているかのような、興味本位な扱いをしているので殊更有名になってしまっているようです。国内でも米軍キャンプのゲートの前には、外出で市中へ繰り出すGIたちを待ち受けて若い女性たちが屯(たむろ)しているとのことですし、また不法滞在外国人の屯場所となっている上野公園などの近くに若い女性たちが数人のグループとなって出没しているようです。若い男性たちが盛り場へ行って“ナンパ”をするときとそっくり同じ手口で、街角に屯していて通りすがりの外国人を遊興に誘っているようです。

 こういったことを聞かされた世間一般の人たちは一様に驚き、好奇心をむき出しにし、「呆れてものが言えない」といいながら、各世代固有の「定番」を一言いいます。親世代以上の年配グループは決まったように「今時の若い女性は・・・」といいますが、男性と女性ではそれに伴う感情と言い方に微妙な違いを見せます。そして若者グループは男性と女性ではっきりと意見を異にし、若い男性たちは「けっこうやるじゃん」と即座に事実として肯定しますが、若い女性たちは「信じられなあ〜い」と言い自分達の身近にはありえないとして否定します。そして誰も一様に「恥の意識」を持つようです。

 電話相談と家裁からの紹介事例から知り得た彼女たちの言い分は、世間一般の人たちが勝手に想像しているものとは大分異なるように思います。世の中の若者文化が最高潮に達していて若い男女は思う存分青春を謳歌しているようですが、その気は充分あっても全く恋愛の対象として見て貰えない男女が存在するのです。更に不幸なことには、その男女たちも互いに恋愛対象とは見ないのです。見合いの会などに登録している男女は多くても、そこでめでたく成立する率が少ないことからも分かります。身の程を知って「無いものねだり」をしないように言ってみても解決にはなりません。

 その男性たちは「武士は食わねど」とやせ我慢をしているのでしょうが、女性たちは気軽に「相手にしてくれる」男性を求めて遠く海外までに足を延ばしているのでしょう。男性たちは保守的で単一思考しかできないのに比べ、女性は現実的で自由な思考が許されているためでしょう。結婚に繋がらない恋愛は不道徳だといっても時代錯誤と一笑されてしまいますでしょうし、親が知ったら嘆くといっても「そんなであればこんなでない」と言われてしまうでしょう。そこでは「妊娠したら人生の予定が狂ってしまうよ」と言うしかないし、「怖い性病に罹ったら命を縮めるよ」としか言いようはありません。

 しかし、こういった考えから「P・K・O」を眺めると、以外にも関係者も意図していなかったであろう「副産物」に気づきます。今後カンボジアからモザンピークと続き、PKOは国際貢献と世界平和のために日本の若い男性を世界の隅々までに送りだすでしょうが、イエロー・キャブと呼ばれる女性たちの真似も出来なかった男性たちに恋愛と結婚の機会を与えてくれることになります。そして、農村などの「嫁不足」の解消にも繋がることでしょう。 幸いなことに日本人は宗教にはあまり拘りがありません。

 こうして人種問題にも拘りが無くなれば「国際結婚」などという言葉も無くなり、恋愛し結婚したいと思う男女がグローバルに出会いの機会をもてて、ただ我慢と諦めと考える必要は無くなるでしょう。 

 

 

 

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