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学校を出て就職する頃は、青春の真只中です。いっぱしの大人として認められたい気持ちもあって仕事に精を出しますが、それに劣らず異性との交流に精を出します。学生の頃までの恋愛とは異なり、これからの人生を共に歩む人との出合いを求めるものですから、意気込みが違います。火事場の大力や千里も一里などの諺が示すように、その為には信じられないような体力と気力を湧き出させます。
伴侶を得て家庭を持ち、公私共に充実した人生を歩み始めます。そして最も多忙な時期を送りますと、この日々が僅かながらでも右肩上がりに続くのが当然なように思ってしまいます。遠くに老いが待つと知っていても、パワフルでエネルギッシュな若さは不滅なものと感じます。
しかし、人生の秋を感じる頃に、女性はその徴候を身体で感じ取ります。ところが、その徴候を身体で感じ取りにくい男性は、頑に否認し続けます。その為にか人生の後半に、女性と男性に大きな違いが生じてしまいます。更年期以降の女性たちは何時までも若々しく長命ですが、定年で職を退いた男性たちは途端に老け込み、長生き出来ないどころか妻に先立たれたら殉死するかのように逝ってしまいます。
家事や子育てから解放された女性たちは、息子や孫のような若い男性の歌手やタレントのファンとなり、娘と一緒にライブに行ったり”追っかけ”したりしています。昔から、お気に入り役者を観る為に歌舞伎座ヘ通ったり、憧れのスターを観る為に映画館へ通っていました。この気持ちの若さが重要なポイントのようです。
そこで、男性諸氏に提案です。馬鹿馬鹿しいと苦笑いをしながらでも結構ですから、女性諸氏の軽やかなフットワークを見習って下さい。青年の心を持って、青年の頃にやり残したことを楽しんで下さい。楽しめば食わず嫌いだったと気づきますし、不老長寿の妙案であることが分かります。
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