助産師に学ぶ医療改革
      

 

 ついに高齢社会となったようですが、ようやく少子化対策が効を奏し始めたように思います。若いお母さんが安心して子どもを産んで育てられる環境整備が動き出した観があります。ところが、頼みとしている産婦人科医と小児科医が不足して、産婦人科と小児科が縮小されるというのです。さらに追い討ちをかけるように医師不足から病院そのものが統廃合されしまうというのです。そして、唐突に提示された解決策が病院勤務医の俸給の増額でした。あまりにも場当たり的で、この深刻な問題が解決するとは考えられません。

 産科医と小児科医と救命救急医が過労死しても不思議では無いほどの激務の日々を過ごしているとのことですが、財政破たんを招きかねない医療費の急増から高給優遇で医師を確保することには限界があるでしょう。

 激務を嫌って産科を志望する医師が減っている現状に、助産院の助産師の活動が注目されています。受け持っている妊婦からの緊急連絡に24時間対応するのは当然で、殆ど同時に始まったような2ケ所での出産に対応する為に、助産師たちは助け合う体制で乗り切っています。ところが助産師たちは過労死しても不思議では無いほどの激務の日々を過ごしているとは言いません。活躍の場を求めて選んだ道だからでしょう。

 そもそも医師の数が少ないのが主原因なのですが、歴代の医師たちがその数を増やさないようにして来たのです。今後も医師の数は増えないでしょうが、水面下では静かに変化が進んでいます。専門学校から大学そして大学院と急激に高度化した看護教育が高度な専門教育を受けた専門看護師を輩出し始めています。その専門看護師に検査と処方が許されたら、既存の医師と同等となり、ひと味違う医師の役割が担えます。

 専門看護師が突破口となり、医師以外の医療従事者が独占されていた権限を医師から移譲されれば、インターネットによる遠隔医療システムを活用して全国的な”無医村問題”解消し、誰もが高度な医療の恩恵を享受できるようになるでしょう。 

 

 

 

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