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誰も北欧やカナダが福祉先進国であることを知っています。しかし何故かを知る人は少ないでしょう。詳しい人に聞きましたら、寒い国ではお年寄りなど弱者を放置すると死亡事故になるからだそうです。 我が国でも、地方の過疎地にも都会にも独り暮らしのお年寄りが目につくようになっています。超高齢社会の福祉と医療を質を落さずに維持する為に、福祉先進国のような高税率を望まない我が国では、消費税を上げるなど苦肉の策を弄するのでしょうか。それでも足りない為に、受益者負担か質の低下はやむを得ないということになるのでしょう。
極寒の福祉先進国でも我が国の豪雪地でも、「コンパクトシティ」という施策が進んでいます。積雪に阻まれて遠地に孤立し救援が間に合わないという悲劇を起こさないために、行政指導で市街地に移り住んで貰い行政サービスの効率化を計るための施策のようです。市街地にお年寄りや身体の不自由な人たちのためのケア付き住宅を確保して、買い物から散歩まで全て歩いて用が足せるようにします。そして郊外の住宅に住んでいて、市街地への転居を希望する方たちに住み替えて貰います。空家になった郊外の住宅はリフォームして、若い世帯に住んで貰い子どもを伸び伸び育てて貰います。
「コンパクトシティ」構想は、なるべく自力で生活したい気持ちを叶えるものであり、医療や福祉の経費も減らすことが出来て”小さい行政”作りの一助にもなります。しかし庶民の”虎の子”を吐き出させればよいと考えるのか、高負担の高福祉指向はいつまでも変わりそうもありません。庶民の切実さを知らないのか無視なのか、この「コンパクトシティ」構想を実現させてくれることは無いでしょう。改革的で指導力のある首長が出現しない限り、NGOなど市民レベルで実現するしかありません。せめて個人は可能な内に生活をリストラし、老後も自力で自適に過ごせるよう、暮らしを”コンパクトシティ”にする必要があるようです。
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