ローマ市民ならぬ「ニート市民」
      

 

 少子高齢化の問題は、解決の決め手に欠いたまま景気の回復にも影響を与えているようです。少子による人口の逆ピラミッド化を防ぐには、減少分以上を海外からの技術者の就労で補えばよいでしょう。彼らが労働力となり税収が確保できれば、一気に問題は解決へと進むように思えます。

 欧米先進国の若者も同様のようですが、昨今の日本の若者は努力を好みません。努力を学べなかったための気の毒なのでしょうが、それを運命のように諦めてしまっています。そのためか苦手に挑戦するのを好まず、安易な遊びや趣味の世界に浸っていたいようなのです。

 理想を諦め切れず、現実を認めたく無い為なのでしょう。努力する意味を見出せないまま、いつまでもニートとして親元で生活し続けます。そしてそれが出来なくな

る50才頃から生活保護で暮らすしかなくなるのです。 独り暮らしでは保護費は家賃と食費だけのようなものですから、生活を楽しむ余裕は殆どありません。彼らによって新しい文化が生み出される可能性もありますが、閑居にして不善をなすという心配もあります。

 海外からの技術者の就労で少子高齢化の問題も解決して、内外需も拡大して潤沢な税収が得られますと、高齢者など社会的弱者の福祉が充実し安定します。そしてその中に、ニートの一群が少なからず存在することになります。発達障害という病気の為に、社会人になれなかったという位置付けで処遇するしか無いのでしょう。

 古代ローマの市民には兵役が義務付けられ、日本の武家のような特権階級でした。「ニート市民」にはなにも義務付られません。働かずに生活が保障されるのですから、傍目には特権階級に見えてしまうでしょう。

 かつてエネルギーが石炭から石油に変わった時代に、失業した炭坑離職者たちは失業対策事業で救われました。今こそ障害者授産施設のような、ゆるやかで無理のない就労訓練の場を創る必要があります。彼らに就労の喜びを知って貰うためであり退屈させないためです。

 ニートは生涯非婚率が高いので、いわばハイブリッド(一代雑種)のようなものでしょう。一代限りで世襲は無さそうです。

 

 

 

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