ワークシェアで生活保全

 

 人気急上昇ではあるアベノミクスは、他に策が無いなら仕方ないといった程度のもののようです。冷蔵庫の中に残っている食材で、賄い飯を作ろうとしているようなものでしょう。 見繕ってそれなりのものでお茶を濁そうとしているようですが、将来を見据えていないところが気になります。誰も今より将来が不安ですから、財布の紐は緩められません。景気回復と雇用拡大をスローガンにしても、誰も簡単には信じようとはしません。親の年金で子どもも生活できる時代は終わろうとしていますので、非正規雇用の若者たちは笛を吹かれても踊りようがありません。マイカーにも結婚にも興味を持たないのではなく持てないのです。アベノミクスが呼び水になって景気が回復し雇用が拡大する可能性はありますが、期待外れのままになりかねません。

 しかし、行政が宛てにならなくても企業が頑張ってくれるでしょうから、まったく期待が持てないということはありません。ところが、やはり大きな期待は持てませんから、それなりの安全策を講じる必要があります。正規で就労できなかったら、非正規で週半分働いて収入を得る。週半分は自力で何らかの努力をする。起業準備をする、空き家を借りてリフォームする、家庭菜園を作るなど、半自給自足の生活手段を講じるのです。 同じライフスタイルへ志向する考えと出会ったら、同好の士が暮らしを共にするコミューンを作ればさらに盤石となります。

 グループハウスやシェアハウスをイメージすれば理解しやすいと思いますが、そこに夫婦数組が居住するのが理想のように思います。各夫婦単位で家計を独立させ、各夫婦が互いに助け合うのが眼目です。落語に出て来るような長屋を今に出現させようとするものですから、育児から介護まで助け合えるメリットがあります。夫婦が互いに週の半分は現金収入を得る働きをし、他の半分は育児や介護など家事に従事するようにします。そうすれば、収入を得るための就労と育児や介護も含めた家事を両立させられます。託児所を増やして待機児童を減らして貰うことも、必要なだけ介護施設を増設して貰うことはほぼ不可能だろうと思います。

 企業はリストラして国際競争に勝ち残ろうとしているのですから、雇用を拡大することなど考えられません。また新成長産業の育成が充分で無く、斜陽産業ばかり助成しているのであれば景気回復などはとうてい望めません。切り株にうさぎが飛びつくのを待っていたら、腹の皮が背中に貼り付いて剥がれ無くなってしまいます。  

 

 

  

 

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