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通信教育の面接授業をスクーリングと言います。通学生の夏休み中に実施される面接授業がサマー・スクーリングです。最近の通信学生は、夜間定時制の学生よりも勤労学生という雰囲気は薄く、特に高校から現役で進学した学生たちは、悠々自適を確保しながらの生活ぶりのようです。通信教育は幅広い学生に門戸を開いていますので、スクーリングの学生の中には入院中で外泊をとって通って来ている者がいるほどです。
中学校から高校で不登校となり、NHK学園などの通信制高校か大検に合格して大学進学を希望する者たちは、心理学を選考したがる傾向があるようです。ところが、首都圏で通信教育部をもつ大学は少なく、さらに心理学を学べる大学は数校しかありません。そのために、通信制の高校を卒業して更に通信制の大学に進学する者が、それらに集中する傾向があります。精神障害者の集う作業所などでも、この傾向が見られます。
カウンセリング・ルームに来談する学生の殆どは、深刻な場合を除きますと、一応主訴はありますが涼しい部屋で休養したいのが本音のようです。休養室の機能を持たせようとソファーペッドを置き昼休みにはそれをペッドにして利用して貰っていますが、腰を延ばして休憩したいからとキャンピング用のスポンジ・マットを持参してテーブルや床の上で軽やかな寝息をたてる者もいます。不慣れな下宿と暑さで充分な睡眠が取れず、眠ってしまうつもりはなくても眠ってしまうのでしょう。
かつて女子学生が"風俗"で働いているという報道に、ある著名人が「風俗嬢が向学心を持ったと思えばいい」と放言していましたが、新聞やTVで報道されて世間を驚かせた女子学生の路上ビデオ撮影事件も、来室した学生たちの告白から氷山の一角であることを知らされました。ポルノビデオに出演していた女子学生は、なにかと忙しいから短時間で高額が稼げるアルバイトと割り切っていると言います。フリーターでは生活費を稼ぎ出すのが難しくなった事情があるでしょうが、見逃せないのはAC(アダルトチルドレン:幼児期からの親の虐待で、健全な情緒を獲得できなかった若者)とACもどきが、こうすることで親に復讐している意味合いがあることです。自分の身体と人生を粗末にするのが腹癒せというのでは不幸過ぎます。
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