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午(うま)の年になっても、ドッグイヤーは変わらないようです。(注1)私たちは長い冬にうんざりして、一日も早く春が来ることを望んでいます。そして、その多くの人たちは冬眠中の熊さんのように動かず、貯えたエネルギーを消費しないよう息を潜めているようです。
そして、この変化に気をとられて中身に気づきませんと、まさに粗大ゴミ的なお荷物となってしまいます。IT(情報技術革新)による時間差消失で、ビジネスは地球規模のものとなっています。新たなビジネス環境に適応できないものは衰退し、新たな環境の中から生まれたビジネスは成長しつつあります。そして堅調なビジネスは、生き残りが可能な体質に変化しつつあります。まさに適社生存であり、適者生存でしょう。
リストラの中高年がTVインタビューに応えて、同じ職種で変わらぬ収入の就職を希望し、再就職先が無いと困惑の表情を見せていました。住宅などのローンがあることから、必要額の収入を得たい気持ちは解りますが、折角のマンションを手放なさなければならない覚悟も必要です。ところがインターネットに興味があっても、パソコン・アレルギーで手が出せないと称されている中高年でも、必要ある地位や立場にいる人は、いつの間にかメールを出せるぐらいになっています。
江戸時代から続く老舗の和菓子屋さんや茶問屋さんなどが、国内需要の低調と先細りを懸念しつつ打開策を打ち出せずにいましたので、Be toBe(注2)で世界中に需要を掘り起こすよう勧めました。アレルギーを取り払い、ホームページを作って世界中の検索エンジン(注3)に登録するまでに2年余かかりました。そして更に3年経った今、確実に需要を掘り起こしました。今のところ、その売り上げは年商の数パーセントでしかありませんが、得難い貴重な知見が得られています。
ネット・ビジネスが進展するにつれ、より高品質をより低価格で入手する動きが当然のようになっています。ところが、高品質であれば高価格でも良いという需要を、和菓子や日本茶が掘り起こしたのです。世界的に肉食離れが進み、和食が健康・美容食として認知されたことが追い風になりました。 私が心理学コンサルタントなので、結果的に老舗企業との長期に及ぶ関係が続いています。家族経営のままで確実に後継者を育成したいという気持ちが、老舗企業に強いためだろうと思います。保守的で新しい考え方には馴染み難い老舗経営者が、牛に引かれて辿り着いた先の善光寺で黄金の観音様と出会える手応えを得たようです。
電話や自動車を利用しないで仕事をする毎日を想像してみて下さい。電話の代わりが手紙で、自動車の代わりが自転車だったら、自ずから仕事の範囲と量がお分かりになると思います。このことからもインターネットがいかに便利なビジネス・システムであることが、お解かりになると思います。
注1.1年が数年分の速さで変化していることをいう。
注2.ビートゥビー、ネット上の企業間取り引きをいう。
注3.ネット上の電話帳のようなもの。
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